出張管理システム(BTM)とは

出張管理システム(BTM)とは、ビジネストラベルマネジメント(Business Travel Management)の略で、出張に関連する業務を一元管理するシステムです。

出張申請から清算までのさまざまな業務を社内コンプライアンスに基づいて管理し、業務効率化やコスト削減、危機管理を実現できます。

BTMでは、渡航費用や手続きの全体像を分析・見直すことでコストを削減し、システム化により業務効率化を実現、リスク管理の徹底を行います。

また、定期的な報告・改善提案を実施し、継続的な出張管理を支援、交通機関や宿泊先の手配、出張申請業務や経費精算などの機能があります。

出張管理システム(BTM)の導入メリット

出張業務の効率化・自動化

  1. 申請・承認プロセスの効率化

    • 申請の簡素化: システム上で必要事項を入力するだけで申請が完了するため、紙の申請書作成や提出の手間が省けます。

    • 承認の迅速化: システム上で申請内容を確認し、承認できるため、承認待ち時間が短縮されます。

    • 進捗状況の可視化: 申請・承認の進捗状況をリアルタイムで確認できるため、状況把握が容易になります。

  2. 予約・手配の自動化

    • 交通手段・宿泊施設の一括検索: システム上で複数の交通手段や宿泊施設を比較検討し、最適なものを予約できます。

    • 予約情報の自動連携: 予約情報が出張申請書に自動で反映されるため、入力ミスを防ぎます。

    • 出張日程表の自動作成: 交通手段や宿泊施設の予約情報をもとに出張日程表を自動作成できるため、作成の手間が省けます。

出張費用の削減

  1. 予約の一括管理と法人割引の適用:

    • 航空券や宿泊施設、レンタカーなどの予約を一括管理できるため、予約の手間を削減できます。

    • 法人契約や団体割引を活用することで、個別に予約するよりも費用を抑えられます。

  2. 出張経路や交通手段の最適化:

    • システムが最適な経路や交通手段を提案してくれるため、移動にかかる費用を最小限に抑えられます。

    • 例えば、複数の交通手段を組み合わせた場合と比較して、より安価なオプションを選択できます。

  3. 出張申請・承認の効率化:

    • 電子申請・承認機能により、紙の申請書や押印の手間を省き、承認プロセスを迅速化できます。

    • 承認の遅延による予約の変更やキャンセルを防ぎ、無駄な費用発生を抑止できます。

コンプライアンスの強化

  1. 規定違反の防止

    • 出張申請時の自動チェック: システム上で出張規定に沿った申請内容になっているかを自動でチェックし、規定違反を未然に防ぎます。

    • 承認フローの明確化: 承認フローをシステム上で明確化することで、不正な承認や承認漏れを防ぎます。

  2. 経費精算の透明性向上

    • 領収書の電子化: 領収書を電子化することで、紛失や改ざんのリスクを低減し、経費精算の透明性を高めます。

    • 不正検知機能: AIなどを活用した不正検知機能により、不正な経費精算を早期に発見できます。

  3. 内部統制の強化

    • 証跡管理: 出張申請から精算までの全プロセスをシステム上で記録し、証跡管理を徹底します。

    • 監査対応: 監査に必要な情報をシステム上で一元管理し、監査対応を効率化します。

従業員の利便性向上

  1. 申請・承認手続きの効率化

    • ペーパーレス化: 従来の紙ベースでの申請・承認手続きを電子化することで、申請書の作成や押印の手間を省き、時間短縮に繋がります。

    • どこでも申請・承認: PCやスマートフォンからいつでもどこでも申請・承認が可能になるため、移動中や出張先でも手続きを進められます。

    • 申請状況の確認: 申請状況をリアルタイムで確認できるため、承認待ちの状況や差し戻しがあった場合でも迅速に対応できます。

  2. 交通手段・宿泊施設の手配の簡素化

    • 一括検索・予約: 出張管理システム上で交通手段や宿泊施設を一括検索・予約できるため、複数のサイトを比較する手間が省けます。

    • 法人契約の適用: 法人契約している交通手段や宿泊施設を優先的に表示したり、割引料金を適用したりできるため、コスト削減に繋がります。

    • 出張規程の自動チェック: 出張規程に違反する交通手段や宿泊施設を選択した場合に警告を表示する機能があれば、規程違反を防ぎ、適切な手配を促せます。

出張管理システム(BTM)の主な機能

出退勤管理

出張中の出退勤時刻や勤務地を管理できます。

  1. 出退勤時刻の記録

    • GPS機能やICカードリーダーなどを利用して、出張先での出退勤時刻を自動で記録します。

    • 手入力による記録も可能ですが、不正を防ぐために、位置情報や写真などの証拠提出を求めるシステムもあります。

  2. 勤務地の記録

    • GPS機能を利用して、従業員の現在地をリアルタイムで把握できます。

    • 訪問先や移動経路を記録することで、業務効率の改善や不正防止に役立ちます。

  3. 残業時間の管理

    • 出退勤時刻と所定労働時間をもとに、残業時間を自動で計算します。

    • 残業時間の超過をアラートで通知する機能もあります。

  4. 休暇管理

    • 出張中の休暇申請や承認をシステム上で行うことができます。

    • 休暇取得状況を把握し、適切な人員配置に役立ちます。

交通費精算

交通費の精算を自動化し、不正や不備を防止できます。

出張管理システムの交通費精算機能は、出張に伴う交通費の精算業務を効率化し、正確性を高めるための機能です。具体的には、以下の機能が含まれます。

  1. 交通費の自動計算

    • 経路検索連携: 出張先と出発地を入力すると、最適な経路と運賃を自動で検索し、申請書に反映します。

    • ICカード連携: 交通系ICカードの利用履歴を読み込み、自動で交通費を計算します。

    • 運賃データベース: 最新の運賃情報をデータベースに保持し、正確な交通費計算を可能にします。

  2. 申請・承認ワークフロー

    • 申請書の自動作成: 出張情報と交通費情報を基に、申請書を自動で作成します。

    • 電子承認: 申請書を電子的に回覧し、承認プロセスを効率化します。

    • 承認履歴管理: 承認履歴を記録し、透明性を確保します。

  3. 精算処理

    • 精算データ連携: 交通費精算データを会計システムに連携し、経理処理を効率化します。

    • 立替払い精算: 立替払いした交通費を従業員に払い戻すための処理をサポートします。

    • 精算状況管理: 精算状況をリアルタイムで確認できます。

  4. 不正・不備防止

    • 上限設定: 交通費の上限を設定し、不正な申請を防止します。

    • 二重申請チェック: 同じ経路や日程での二重申請を検知します。

    • 領収書添付: 領収書の添付を必須とし、不正な申請を防止します。

    • AIによる不正検知: AIを活用して、不正な申請パターンを検知します。

宿泊予約管理

出張先の宿泊施設を予約・管理できます。

  1. 宿泊施設の検索・予約

    • システム内で出張先の宿泊施設を検索し、空き状況や料金を比較できます。 複数の宿泊予約サイトと連携している場合、より多くの選択肢から選ぶことができます。

    • 企業が契約している宿泊施設の情報を優先的に表示することも可能です。

  2. 予約情報の管理

    • 予約内容(宿泊施設名、宿泊日、部屋タイプ、料金など)をシステム上で一元管理できます。

    • 予約確認書や領収書もシステム上で確認・管理できます。

  3. 出張者への通知

    • 予約完了時や変更時に、出張者へ自動でメールやアプリで通知できます。

    • 出張者は、システム上で自分の予約状況を確認できます。

旅費規程管理

出張にかかる費用を管理し、規程違反を防ぎます。

  1. 旅費規程の設定

    • 交通費(新幹線、飛行機、タクシーなど)の上限額や宿泊費の上限額など、企業の旅費規程をシステムに登録します。

    • 宿泊施設や交通手段の種類、出張先、役職など、条件に応じた詳細な規程を設定できます。

  2. 申請時の自動チェック

    • 出張申請時に、申請内容が旅費規程に違反していないか自動でチェックします。 規程違反がある場合は、申請者にアラートを表示したり、申請を差し戻したりすることができます。
  3. 承認時の規程確認

    • 承認者が、申請内容が旅費規程に違反していないか確認しやすくするための機能です。

    • 申請内容と旅費規程を並べて表示したり、違反箇所をハイライトしたりするなど、視覚的に分かりやすい形で情報を提供します。

経費精算管理

出張にかかった経費を精算できます。

予算管理

出張にかかる予算を管理し、超過を防ぎます。

レポート作成

出張に関する各種レポートを作成できます。

出張管理システム(BTM)の選び方ポイント

必要な機能

自社の出張業務に合った機能を備えているかを確認しましょう。

連携機能

経費精算システムや人事システムなど、他のシステムとの連携機能があると便利です。

セキュリティ

出張者の個人情報や機密情報を保護するセキュリティ対策が十分かどうかを確認しましょう。

コスト

導入コストとランニングコストを比較検討しましょう。

おすすめの出張管理システム(BTM)

  • J’sNAVI NEO(株式会社JTBビジネストラベルソリューションズ)
  • 東京マスターズ オンライン予約ツール(株式会社東京マスターズ)
  • TsugiTsugi(東急株式会社)
  • ピカパカBTM(株式会社ピカパカ)
  • Concur Travel 出張管理(株式会社コンカー)
  • AI Travel(株式会社AIトラベル)
  • Bzit(株式会社 JTB)
  • BT-Compass(イオンコンパス株式会社)
  • BTOL(株式会社南海国際旅行)
  • 出張手配プラス(株式会社エルク)
  • Smart BTM(株式会社IACEトラベル)
  • BORDER(ボーダー株式会社)
  • トラベルjp for Business(株式会社ベンチャーリパブリック)